――市東耕作権裁判第2回口頭弁論を闘う(詳報)
4・23市東裁判報告会
■一昨日、千葉地裁仮庁舎の405号法廷で、市東さんの耕作権裁判第2回の口頭弁論が闘われました。
■法廷が開くなり、市東孝雄さん、弁護団、傍聴に臨んだ一同は目を疑いました。裁判長が小磯武男裁判長から菅原崇裁判長に交代していたのです。弁護団にさえ連絡もありませんでした。通常は、更新手続きとして、意見陳述などを行って1回の口頭弁論が行われます。ところが、この手続きを省略してきたのです。葉山岳夫弁護士は、突然の事態にもかかわらず、本裁判の経緯、問題点の意見陳述を堂々と行いました。
■弁護団は前回に引き続き、空港会社がどのように市東さんの農地の位置を特定したのか、公図と会社側提出の図面のはなはだしい食い違いの理由などを問いただす求釈明をおこないました。これに対して裁判長は「位置の特定は書面上はなされているのだから、これについての認否と主張を行うように」という訴訟指揮を行ってきました。
■とんでもないことです。空港会社は不当にも土地の明け渡しを求めているわけですから、位置の特定はこの裁判の最も根幹にかかわることがらです。どこの場所を明け渡せというのか、という問題を明らかにすることなしに、裁判を進めることはできません。
■空港会社の提出した図面は、旧地主が書いた手書きのものを元にしたものでした。基準点すら明示されていなかったのです。公図とのくい違いの他にも、例えばこうした不審点があります。こうした問題を明らかにさせなければ、裁判は進められません。「書面が出ている」からといって「話を先に進めろ」というのは、まさに空港会社の利益を意図した弁論の進め方です。
■葉山岳夫弁護士から、弁論の解説が行われました。「暫定滑走路計画認可取り消し訴訟で空港会社は、『への字誘導路でも安全だ』と主張していました。それが運航に不便になると、天神峰現闘本部と市東さんの畑を対象に『どけ』と言ってきた。とんでもないことです。市東さんは対象になっている畑について、確固とした権利を持っています」「農民の命とも言うべき農地を断固守っていきます。空港会社側の釈明をまって答弁を展開していく方針です」との発言が行われました。
■大口昭彦弁護士は「農地法による農地強奪という今回の件には周囲のみんなが驚いている。とても考えられないことだ。成田だから、空港会社だからということで進められている裁判自体、納得できない」としてきしました。遠藤憲一弁護士も「空港を何が何でも作るという攻撃の一環」と裁判を批判しました。
■会見に出席した記者は真剣に聞いていました。
■関西実行委員会は今回も関西からかけつけてくれました。永井満代表が「裁判長のひどい訴訟指揮を見て、はらわたの煮えくり返る思いです。淡路島は関西圏の食料基地ですが、市東さんの農地強奪に見られる農業破壊に対して、日本全国の農業者に呼びかけ、今後運動を拡大していこう」との提案がなされました。
■このほか、動労千葉特別執行委員の後藤俊哉さん、「反対する会」呼びかけ人の三角忠さん、産直野菜の消費者、動労千葉を支援する会の山本弘行さんから市東裁判に全力で取り組む、との発言が行われました。
■次回弁論は6月18日(月)午前10半から千葉地裁です。菅原裁判長の露骨な早期結審策動が明らかになりました。闘いは早くも白熱した段階に入りました。法廷内の闘いと同時に、裁判を支える陣形を拡大する闘いが問われています。「市東さんの農地取り上げに反対する会」の会員を大胆に広げましょう。裁判の傍聴にかけつけましょう。